実家よりも自宅を先に片づける5つのメリット子ども世代は「自分たちのほうが若いから自宅の片づけはいつでもできる。だから親が動けなくなる前にまずは実家を片づけたい」と考えている方が多いかもしれません。しかし、先に自宅を片づけたからこそ、実家の片づけがスムーズに進められたというケースも少なくないのです。なぜ自宅を先に片づけるのがよいのか、そのメリットを5つ紹介します。①片づけの効果を親に説明できる親に「片づけて」「一緒に片づけよう」と言っても、子ども自身がどう片づければいいのかを分かっていないと、実家の片づけは進みません。実家を片づける前に自分の家を片づけると、片づけたことで暮らしがどう快適になったのか、その効果を実感できます。親に片づけたあとの暮らしの変化を具体的に説明できるため、親へ片づけを促す際の説得力が増すというメリットもあるのです。②モノのストーリーを知ることで手放す基準が分かる親がモノをなかなか手放せないのは、それらにストーリー(思い入れ・思い出)があるからです。親世代は「片づけ」と聞くと、どうしても「捨てなければならない」と考えてしまいがち。ゆえにストーリーのあるモノに執着してしまいます。これが、片づけが進まない原因のひとつです。自宅を片づけて、ストーリーのあるモノと向き合った経験があれば、捨てるだけではない手放し方があることに気づけます。残すか、手放すかの判断基準が分かりやすくなり、なかなか捨てられない親の気持ちを受け止められるようになるのです。実家の片づけでも「捨てる」以外の提案ができるのが、先に自宅を片づけることのメリットです。親に対して「いらないでしょ?捨てるよ」と無理強いすることもなくなるでしょう。③実家の片づけの予行演習ができる自宅を片づけると、片づけの方法や手順が身につけられるので、どこからどのように手をつけるべきかを判断できるようになります。実家の片づけの予行演習と言えるかもしれません。たとえモノの価値観や手放す基準が親と違っていても、基本的な片づけ方が分かっていれば実家の片づけも進めやすくなります。④実家に置いてある私物を自宅に収納できる自宅に収納スペースがないことを理由に、とりあえず実家にモノを置いている子どももいるでしょう。一方で、親は「子どもの荷物があるせいで片づけられない」と嘆いているかもしれません。そんな子どもに「実家を片づけよう」と言われても、親が素直に片づける気持ちになれないのも無理はありません。もし実家に荷物を置いている場合は、まず自宅を片づけて収納スペースをつくりましょう。実家を片づける前に、預けていた荷物を自宅に持ち帰るのが先決です。⑤自身の生前整理になる実家の片づけに着手すると、自宅の片づけが後回しになってしまいます。実家の片づけが終わってから「さあ次は自宅を片づけよう」と思っても、疲れてしまい、なかなか手をつけられないかもしれません。お子さんがいる場合は、自宅を片づけるときに自分の子どもに負担をかけてしまう可能性があります。それでは悪しき慣習の繰り返し。自宅を片づけることは、自身の生前整理にもつながります。実家の片づけに苦労した経験を後世に残さないようにするためにも自宅の片づけは早めにおこないましょう。自宅の片づけの進め方「片づけ」と一言で表現してしまいがちですが、厳密に言えば「片づけ」は「使ったモノを元に戻すこと」という意味になります。上の図は整理収納の基本ピラミッドです。「片づけているのに、なぜかリバウンドをしてしまう」と悩む方のほとんどは、この順番を飛ばしてしまっているからです。整理ができていない状態で「片づけ」や「掃除」をするとピラミッドが崩れてしまいます。自宅の片づけをする際は、このピラミッドの下から順番に進めていきましょう。1.不必要なモノを取り除く「整理」からスタート片づけの土台は「整理」です。まずはモノを整理することから始めます。整理するときは、モノを間引くのではなく、全部出して必要なモノ・残したいモノを選ぶようにします。2.モノが分類できたら「収納」残したモノは分類し、どこに収納するのか定位置を決めます。分類するときは、使う頻度で分けるのがおすすめです。収納する際は「使いやすい状態にすること」がポイントです。よく使うモノは出し入れしやすく、戻しやすい場所を定位置にすると管理しやすくなります。ときどき使うモノは、よく使うモノとは別の場所を定位置にしてください。それぞれの収納場所が決まったら、どのように収納するかを決めていきます。何度も扉や引き出しを開ける必要のないシンプルな収納方法にして、片づく仕組みをつくっていくことが大切です。順番としては、キッチン、玄関、洗面台などなるべく小さな場所から始めます。引き出し一つでも薬箱でもOKです。要・不要の判断がしやすく、達成感を味わえる場所から始めてください。クローゼットの洋服や本など大きな場所、整理に時間がかかる思い出のモノや書類は後回しで構いません。実家の片づけの進め方は基本的に自宅と同じですが、着手する順番が少し異なります。実家のどこから片づけるべきか は、「実家の片づけをスムーズにおこなう5つのステップ」を参考にしてください。どうしても自宅の片づけに時間がかかってしまう場合親が元気なうちに実家の片づけを早めにやってしまいたいと思いながらも、自宅の片づけに時間がかかってしまっては、なかなか実家の片づけまでなかなか手が回らないかもしれません。そんな場合は、自宅と実家を交互にやっていくのもひとつの手です。自宅と実家の片づけをいつまでに終わらせるのかを決め、逆算して片づけを進めていくのがおすすめです。もちろん親の介護が必要になりそうなど、状況しだいでは実家を優先して片づけても構いません。自宅の片づけを実践し、親の気持ちに寄り添いながら実家を片づけよう実家の片づけよりも先に自宅を片づけることには、いくつものメリットがあります。まずは自らが片づけの方法を身に付けられるように、自宅を片づけてみてください。自分の片づけ経験をもとに親に寄り添いながら声かけできるようになるため、実家の片づけもスムーズに進められるでしょう。次回は「実家の貴重品の整理と保管方法」をテーマにお伝えする予定です。