なぜ貴重品の管理を親だけにまかせてはいけないの?親だけが貴重品を管理している場合、さまざまな弊害が出てくる可能性があります。なぜ貴重品の管理を親だけにまかせておかないほうがいいのでしょうか?その理由を3つ挙げてみました。①盗難にあいやすいから高齢世帯は、盗難にあいやすい傾向にあると言われています。少しの外出だからと施錠をしなかったり、分かりやすい場所に貴重品を保管していたりといった防犯対策が不十分なことが多いからです。親の財産を守るためには親子で話し合い、しっかりと防犯対策をしていかなければなりません。②認知症になると財産が凍結されてしまうから認知症になると財産が凍結されてしまいます。契約行為ができなくなるため、実家を売りたくても売れない、定期預金を解約できないといった事態に陥ります。また、親の財産が使えないと、子ども世帯は、自身の子どもの教育資金と老後の備えに加え、親の介護費用まで負担しなければなりません。親がある程度の年齢を重ねたら、いざとなったときのために親のお金を使えるよう対策しておいたほうがよいでしょう。たとえば、任意代理人として届け出をしたり、代理人カード(家族カード)を発行してもらったりすることで、お金を引き出すことが可能になります。認知症が進むと振り込め詐欺や金融商品・不動産売買でのトラブルも起こりやすくなります。子ども側で十分に注意をしておいてください。③親自身が貴重品の保管場所を忘れてしまう可能性があるから認知症でない場合でも、親自身が貴重品の保管場所を忘れてしまっているケースもあります。親子で貴重品の情報を共有しておけば、もしものときにすぐに見つけられ、手続きや契約などがスムーズに進むでしょう。貴重品の保管場所を親子で再確認することをおすすめします。貴重品を整理・保管する前に親・きょうだいと必ず話し合おう貴重品を整理する前に親・きょうだいと話し合いの場を設け、どれくらいの財産があり、どこに保管しているのかを共有しておきましょう。なかには、子どもに貴重品の場所や財産を話したがらない親もいるかもしれません。ですが、親子で貴重品の情報を共有しておくメリットは多々あります。「親から財産を取ろうとしているわけではないこと」「認知症になったときに財産が凍結されてしまうこと」をきちんと説明して、貴重品をすべて教えてもらってください。また、きょうだいで相続トラブルにならないよう、きょうだいとも十分に話し合う必要があります。親に万が一のことがあってもトラブルが起こらないように、貴重品の保管場所を決め、誰がどのように保管するのかを明確にしておきましょう。実家の貴重品の整理と保管方法①貴重品を分類して整理しよう貴重品は、現金や銀行の通帳・印鑑・不動産関係の書類・保険証書などのお金に関するモノ、貴金属や骨董品など換金できるモノ、運転免許証やマイナンバーカードといった身分証明書の3つに分けられます。親の貴重品をすべてチェックし、整理していきます。チェックした時点で必要ないと判断したものは処分して問題ありません。次に親が持っているべきもの、売却や名義変更してもいいもの、子どもが管理できるものに分類してみてください。その際、親が処分しても構わないと判断した貴金属やブランド品などは買い取りに出すとよいでしょう。②貴重品の保管場所と保管方法を決めよう「タンスの引き出し」「クローゼット」「冷蔵庫」「本棚」「仏壇」「机の引き出し」は、貴重品の王道の保管場所と言われています。これらの場所に収納しておくと、窃盗犯に狙われやすくなります。また、隠した場所を忘れて大捜索しなければならない場面も出てくるかもしれません。貴重品は重量のある据え置き型の金庫にまとめて管理しておくのがおすすめです。災害にも強いというメリットがあります。ただし、金庫は持ち出されにくいとはいえ、1つにまとめてしまうと、鍵を開けられてしまったときにすべて失うリスクがないとは言い切れません。そこで、たとえば通帳と印鑑をセットで保管するのではなく、子どもが近くに住んでいる場合は、通帳は親、印鑑は子どもといったように分散して保管しておくのもひとつの手です。実家に保管する場合は、防犯対策も同時にしておいてください。必要であれば、銀行の貸金庫に保管するという方法もあります。場合によっては検討してみるとよいでしょう。③貴重品リストを作成しよう貴重品を整理して、保管場所を決めたら、貴重品リストを作成しましょう。何をどこに保管しているか、誰が管理しているかをまとめておきます。その際に、銀行の暗証番号やサブスクリプションのIDとパスワードなどもリスト化しておくことをおすすめします。家族で協力しあい、実家の貴重品をしっかり管理しよう実家の貴重品の管理は、親子の信頼関係とコミュニケーションが大切です。将来的なトラブルを避けるためには、専門家に相談したほうがよいこともあります。貴重品については、家族でじっくりと話し合ってくださいね。貴重品の整理は、親も子も安心して暮らしていくために必要な片づけの一つです。できるだけ早めに進めていきましょう。