実家の片づけに行く頻度は?——北海道の実家を片づけようと思ったきっかけを教えてください。母の入院がきっかけです。父はあまり家事ができないため、母が入院するまでにやれることを増やしていかなければなりません。そのためには、父が家事がしやすくなるように片づけが必要でした。整理収納アドバイザーとして実家の片づけをしようと考えたんです。——北海道の実家にはどのくらいの頻度で片づけに行っていますか?母の入退院の介護を兼ねて、3年前から計6回帰省して、片づけをしています。滞在期間は長くて1週間。3泊4日がほとんどです。自宅の家族のこともあるので、長期滞在はできません。——Tさんが滞在していない間は、どなたかが実家を片づけているんですか?近くに妹が住んでいますが、片づけはしていません。妹はお掃除を担当しています。親にとっては大変な年末の換気扇掃除などの大がかりなものの掃除ですね。私と妹はこまめに連絡を取って、両親の情報を共有しています。費用負担は親?子ども?——帰省時は、実家には泊まっていないそうですね。はい。コロナ禍だったこともあり、滞在時はホテルに宿泊していました。6回の帰省で、実家に泊まったのは一度だけです。ちょうどコロナ明けの頃ですね。両親とは生活リズムが違うので、実家に泊まったときは気疲れしてしまって……なので、ホテルのほうが自分の心に余裕ができていいなと感じました。子連れの帰省とは、気遣いがまったく違いましたね。——千葉と北海道の距離だと飛行機代もかかりますよね。そのうえホテル代も必要となるとかなりの出費になるのではと思うのですが……。6回の帰省中、5回は自己負担です。一度だけ「いつも助かっているから」と親が出してくれました。お互いの経済事情は把握しているので、年金暮らしの両親に負担してもらうわけにもいかないと思っていましたしね。なので、自己負担は仕方ないと覚悟しました。——実家の片づけをしていた間、義実家との関わりはどのようにしていたのですか?実家に足しげく通っていると義実家はいい気がしないかもと思ったので、義実家との関わり方も気をつけていました。月に1度くらいは自宅近くに住む義母のところに足を運んで、お惣菜やお土産を渡しに行っています。こういった義実家への配慮も大切ですね。実家の片づけを業者に依頼するのは最終手段——いつまでに片づけを終わらせたいと思っていますか?特にゴールは決めていません。というのも、これまで少しずつ片づけていますが、母の捨てられない性格を考えると、時間がかかるだろうなと予想できるので……。時間はかかるかもしれませんが、とにかく両親が健在のうちにやれることはやっておきたいと今は思っています。ただ、最終的には業者に頼むことも視野に入れています。でも、私が直接行って片づけるよりもお金がかかるので、あくまでも業者に依頼するのは最終手段ですね。業者に頼んでしまうと、両親が捨てたくないモノまで「はい」と言って処分して、後悔することもあるかもしれないですし。できるだけ親が納得できる片づけをするには、子どもと一緒にやるほうがいいのかなと思っています。モノの片づけも大切ではありますが、自宅と実家を何度も行き来してみて、親とのコミュニケーションのほうがもっと大切だと気づきました。整理収納アドバイザーとして接しようとしても、親にとっては片づけのプロではなく、娘でしかないんですよね。実家に行ってみて、仕事のようにスムーズに片づけができるわけではないと実感しました。【筆者後記】北海道と千葉という遠距離にもかかわらず、年に数回は実家に帰省して片づけをしているTさん。交通費や宿泊費はTさんが負担しているものの、親子で経済事情を共有しているのが印象的でした。妹さんと連携を取りながら、時間をかけて丁寧に片づけを進めています。義実家への配慮を大切にしているという考え方も参考になりました。第7回は、引き続きTさんのインタビューをお届けします。片づけのときに効果的な親への言葉がけとコミュニケーションの取り方についてうかがったので、ぜひ次回もお楽しみに。