家族や自分の介護に備えている人は18.4%調査対象者のうち、「十分備えている」および「ある程度備えている」と回答した人は合わせて18.4%でした。多くの人が介護について漠然とした不安を抱えながらも、具体的な準備に至っていないことがわかります。介護の不安対象は「自分の親」が最多「誰の介護について不安があるか」という問いに対し、73.6%が「自分の親」と回答しました。しかし、親の介護について具体的な話し合いをしている人は少なく、「まだ元気だから」「話しにくい」という理由で後回しにされている実態が浮き彫りになりました。また、女性は男性よりも「配偶者の親」の介護を心配する傾向が強いことも分かりました。将来の介護に対する不安1位は「介護にかかる費用」具体的な不安要素として、58.8%が「介護にかかる費用」を挙げ、次いで14.0%が「仕事との両立」を不安視しています。金銭面や自分の生活との両立が大きな懸念材料となっています。なぜ介護の話し合いが進まないのか?家族で介護について話すことが大切とわかっていても、なかなか話し合いが進まないのが現実です。その理由として、以下のような要因が考えられます。「まだ元気だから大丈夫」という思い込み多くの人が「親はまだ元気だから、今すぐ話す必要はない」と考えています。しかし、介護はある日突然始まることもあり、元気なうちに準備をしておくことが重要です。事前に話し合っておくことで、いざという時に家族間での認識のズレを防ぐことができます。話しにくいテーマだから親に介護の話を切り出すのは、決して簡単なことではありません。「余計な心配をさせたくない」「嫌がられそう」と感じ、避けてしまうケースも多いです。しかし、実際に話してみると、親自身も不安を抱えていて、話したかったということもあります。何から話せばいいかわからない「介護について話す」といっても、どこから手をつければよいのかわからないという声もあります。まずは、親の考えを聞くことから始め、少しずつ具体的な話に進めていくことが大切です。きっかけがない介護の話は、特別なきっかけがないとなかなか切り出しにくいものです。しかし、たとえば「知人の親が介護になった話を聞いた」「テレビで介護の話を見た」といった日常の出来事をきっかけに、少しずつ話題にするのもよい方法です。親と介護について話す際のポイントでは、どのように親と介護について話せばよいのでしょうか。スムーズに話し合いを進めるためのポイントを紹介します。いきなり結論を求めない介護の話をする際、「施設に入るか」「自宅で介護するか」など、いきなり結論を出そうとすると、親が身構えてしまうことがあります。まずは「老後はどんな暮らしをしたい?」「どんなサポートがあれば安心?」といった、親の希望を聞くところから始めましょう。日常の会話の中で少しずつ話す介護の話を一度でまとめてしようとすると、親も子どもも負担に感じてしまいます。普段の会話の中で、「最近、健康どう?」などの話から少しずつ切り出していくのが理想です。兄弟姉妹とも共有しておく兄弟姉妹がいる場合、親との話し合いの内容を共有し、認識を揃えておくことが大切です。「自分だけが話している」という状態を避け、家族全員で協力して進めるのが理想です。お金の話も避けずに話す介護の費用は、多くの人が不安を抱えるポイントです。親がどのような資産を持っているのか、介護にどれくらい備えがあるのかを、早めに確認しておくことが大切です。場合によっては、専門家に相談するのも一つの手です。「親のため」だけでなく「家族全員のため」の話にする介護の話をすると、親が「自分のことは自分でなんとかする」と言って避けてしまうこともあります。その場合、「親のためだけでなく、家族全員が安心して暮らすための話だよ」と伝えることで、前向きに話し合えることがあります。親が元気なうちに介護について話し合おうこれらの調査結果から、親が元気なうちに介護について話し合うことの重要性が浮き彫りになりました。具体的には、以下の点が挙げられます。✅ 費用面の準備介護にかかる費用は多くの人々の不安要素です。早めに親と話し合い、必要な資金を把握し、計画的に備えることが重要です。✅ 生活との両立仕事や家庭との両立を考える上で、どのような介護体制を築くかを事前に話し合うことで、スムーズな対応が可能となります。✅ 情報収集介護に関する知識を共有し、家族全員が同じ認識を持つことで、いざという時の対応が円滑になります。親が元気なうちに介護について話し合うことは、家族全員の安心と将来の負担軽減につながります。今こそ、家族でしっかりと向き合い、明るい未来を築いていきましょう。出典:株式会社AlbaLink「【将来の介護に対する不安ランキング】男女500人アンケート調査」(2025年3月10日公開)