終活を知るきっかけは?—メディアの影響が大きい一般社団法人 終活協議会の調査によると、「終活を知ったきっかけ」として最も多かったのは 「ニュースやメディア、SNSの情報を見て」(50%)でした。次いで、「家族や大切な人が亡くなった経験をして」が16%、「友人・知人が終活を始めたことを知って」が13%という結果になっています。このことから、多くの人が テレビや雑誌、インターネットのニュースやSNSを通じて終活を知る ことがわかります。最近では、終活に関する書籍やドキュメンタリー番組も増えており、芸能人が自らの終活について語るケースも珍しくありません。特にSNSでは、「#終活」などのハッシュタグをつけて体験談を投稿する人もおり、終活への関心が高まっていることが伺えます。一方で、家族の死をきっかけに終活を意識する人も少なくありません。親や配偶者が亡くなった際に、遺品整理や手続きの大変さを実感し、「自分のときは家族に負担をかけたくない」と考えるようになるケースが多いようです。このように、終活は単なる流行ではなく、身近な出来事をきっかけに真剣に向き合う人が増えていることがわかります。終活を考える理由は?—家族に迷惑をかけたくない終活を考える理由として、以下のような回答が挙げられています。「残された家族に迷惑をかけないようにするため」(38%)「自分が希望する終わり方を迎えられるようにするため」(32%)「事前に計画することで老後の生活を安心して送れるようにするため」(28%)特に、「家族に迷惑をかけたくない」という理由が最も多い点が注目されます。親が亡くなった後、子どもたちは相続手続きや遺品整理、実家の処分など、多くの課題に直面します。これらの作業には時間も労力もかかり、事前に準備されていないと、遺族が精神的・経済的に大きな負担を抱えることになります。また、終活を進めることで、自分の意志をしっかりと伝えられるメリットもあります。例えば、「どのような介護を受けたいか」「延命治療を希望するか」「お墓や葬儀はどうしたいか」などを親と一緒に事前に決めておくことで、家族が判断に迷うことがなくなります。結果的に、家族間のトラブルを防ぎ、最期まで自分らしい人生を送ることにつながるのです。終活はいつ始める?—「今」がベストタイミング「終活を始める時期」についての調査では、以下のような結果が出ています。「いつ始めても構わない」(48%)「50代」(19%)「60代」(13%)「40代」(11%)終活は何歳から始めてもよいと考える人が多く、特定の年齢に縛られる必要はないことが分かります。しかし、実際に終活に取り組むタイミングとしては、50代以降が多いようです。健康なうちに老後の資金計画を立てたり、親と話し合いながら実家の整理を進めたりすることで、将来的な負担を減らすことができるというメリットも。また、親自身も元気なうちから終活を始めることで、「終活=死の準備」ではなく、「これからの人生をよりよく生きるための準備」として前向きに取り組むことができます。親が元気なうちに家族と終活について話そうしかし、終活について 家族と話し合うことに抵抗を感じる人は34% というデータもあります。終活はデリケートな話題であり、特に「死」を連想させることから、「縁起が悪い」と感じる人も少なくないでしょう。また、「親が終活を嫌がるのでは」「話を切り出しにくい」と感じる子ども世代も多いようです。しかし、終活は親の人生を尊重し、家族の未来を考えるための大切な機会でもあります。いきなり「終活しよう」と言うのではなく、「もしものときに困らないように、話だけでも聞かせてほしい」と柔らかく伝えることが大切です。最近では、「エンディングノート」を活用する家庭も増えています。これを親子で一緒に書いてみることで、自然に終活の話を進めることができます。親が元気なうちに終活について考え、話し合うことは、家族全員の安心につながります。次に親御さんに会うときは、ぜひ終活について話してみてくださいね。