実家を手放す理由、最多は「住む人がいないから」調査によると、「実家を手放す決め手」として最も多く挙げられたのは「住む人がいないから」(30.6%)という理由でした。親が亡くなった、または施設に入ったことによって、誰も住まない家になった。そんな状況が、実家をどうするかという現実的な判断を促します。誰も住まなくなった家は、あっという間に傷んでしまいます。「空き家になってから考える」のでは遅く、住む人がいなくなる前に、家族で方針を話し合っておくことが理想です。経済的な負担がのしかかる「維持費」の問題続いて多かったのが「維持費の負担が大きいから」(27.8%)。固定資産税、修繕費、水道光熱費。誰も住んでいなくても費用は発生しますし、築年数が古い家ほど負担は重くなりがちです。放置しているつもりでも、家は“持ち続ける以上、管理し続けなければならない”というのが現実です。手放すという選択は、金銭的にも精神的にも「ひと区切り」をつける行為なのかもしれません。距離と暮らしの変化も決断の理由に「遠方に住んでいるから」(18.2%)という理由も、3番目に多く挙げられました。子ども世代が独立して遠くに住むようになれば、実家との物理的な距離が管理のハードルになります。それだけでなく、自分たちの生活環境やライフステージも刻々と変化していきます。それぞれの生活リズムの中で、実家という存在が“持ち続けるには難しい”と感じる瞬間が訪れるのです。実家をどう「手放す」か?──方法にも現れる家族の判断では、実家を手放すと決めたとき、実際にはどうする人が多いのでしょうか。最も多かったのは「更地にして売却する」(30.2%)でした。築年数が古く、老朽化した家屋は、そのままでは売りづらいことも多いです。更地にすることで売却のハードルが下がるという現実的な判断がうかがえます。一方で、「空き家バンクに登録する」「親族に譲渡する」といった選択肢を取る人も一定数います。家族構成や土地の状況によってベストな方法は異なるため、“どんな選択肢があるか”を事前に知っておくことが、冷静な判断につながります。手放すことで、大切な記憶まで消えてしまうわけじゃない実家には、家族の思い出が詰まっています。だからこそ、「手放す=忘れる」ようで、なかなか踏み切れないという声も少なくありません。でも、物理的な家は手放しても、思い出を形に残すことはできます。アルバムを作る、記憶を文章に残す、写真をスキャンして共有する──。“家を持ち続けること”だけが、記憶を守る手段ではないのです。今こそ、「実家のこと」を家族で話してみませんか今回の調査で見えてきたのは、実家を手放す決断の多くが“親がいなくなってから”になされているという現実です。けれど、本当に必要なのは、“親が元気なうち”の対話ではないでしょうか。例えば、「この家、将来どうしたい?」と何気なく聞いてみる。「いま、どんなことに困っている?」と聞いてみる。こういった小さな会話の積み重ねが、大きな判断の助けになります。そして何より、「親と子が一緒に考えること」が、将来の後悔を減らしてくれるはずです。