ずっと放置していた実家の片づけに着手したきっかけ実家は100坪ほどの敷地に建つ二世帯住宅で、かつては4世代7人で住んでいました。現在は、二世帯住宅に両親しか住んでいないため、使っていない部屋がたくさんあります。田舎なので自治会や親戚の集まりで来客が多く、平屋の家には来客用の食器やお膳などが大量にありました。時代が変わり、実家に人が集まることがなくなったので、それらはまったく使っていません。モノが多くてもすべてが収納できるだけの広さがあるため、床が散らかっているといったこともなく、片づいているように見えます。モノの絶対量が多いのはわかっていましたが、見た目がスッキリしているので、「すぐに片づけなければいけない!」という危機感はありませんでした。親は同世代にありがちな「モノが捨てられない人」というわけではなく、体力的・時間的に整理ができず放置しているだけ。私が整理収納アドバイザーの資格を取ったので、なんとかしてくれるだろうと考えていたようです。私自身も一人娘なので、いつか実家を片づけなければと思っていました。けれども、忙しい・時間がない・遠いといった理由で、ずっと後回しに……。実家の片づけを始めようと思ったきっかけは、実は「実家のこと。」の連載をするようになってからです。いろいろな方からの話を聞いて、自分もやらねばと思うようになり、ようやく重い腰を上げて実家の片づけに着手しました。両親とのコミュニケーション不足を再認識仲が悪いわけではありませんが、普段、両親とはこまめに連絡をとっていませんでした。けれどもここ数年、さまざまな手続きの付き添いなどで、実家に帰省する機会が増えました。そのついでに今後のことを話し合うようになり、実家の片づけについても聞いてみたんです。すると、両親は「子ども(私)に任せればいい」と考えていた様子。両親(特に父)は「面倒くさい」「わからないから任せる」というばかりでした。こちらの質問には正直に答えてくれるのですが、それを書き記してほしいというと拒否されてしまいました。理由は字を書くのが大変、面倒だから。例えば「〇〇はどこに保管しているの?」と聞くと、「ここにあるよ」と場所を指し示すだけで終わり。なので、私がメモをとってまとめることにしました。どこに何があるのかを両親がしっかり把握できているうちに聞けたのは、よかったと思っています。これまでは私自身、親が亡くなったときの話を切り出すことに戸惑いがあり、実家をどうしたいのかについてなかなか聞けずにいました。でも実際に話をしてみると、もっと早くから親と話し合っておけばよりスムーズに実家の片づけが進んでいただろうな……と思うくらい、嫌がることもなく何でも話してくれたんです。これまで、親とコミュニケーションを十分にとってこなかったことを反省しました。知らなかった親の思いある日、両親に「これだけは残しておいてほしいものはある?」と聞いてみたところ、父は「何もない、好きにすればいいよ」と言うのでビックリしました。父は生まれてから実家以外の場所に住んだことがないので、家に対してもっとこだわりがあると思っていたんです。母も「ジュエリーを譲りたい」というくらいで、ほかは特にないと言います。できれば実家はなんらかの形で残してほしい気持ちはあるけれども、モノとして残したい品はほとんどないとのこと。墓じまいもしてしまおうという話になりました。もしかしたら、ひとりで実家を背負わなければならない私に対する親なりの気遣いなのかもしれませんが、私にとっては意外な答えばかりが返ってきたのです。実家の片づけを始めたばかりの私が実感したのは、いきなりモノの整理から始めるのは難しいということ。「実家の片づけをしたいのに、親子でケンカになってしまう……」とお困りの方も多いと思いますが、それはコミュニケーションが足りないままモノを片づけようとしているのが原因なのかもしれません。私自身、実家の片づけをしてみて初めてそれに気付きました。整理収納アドバイザーである前に、子どもとして接しないと実家の片づけは進められません。親とコミュニケーションをとって、親の意向を知ること、今後の生活のためにどうしたいのかを聞くことが大切だと実感しています。第19回は、筆者が実際に実家で片づけをしたモノ・コトについてお伝えします。