築60年のキッチンから見つかったモノ実家の片づけは、本来、親が安全に暮らしやすくなるように、普段生活している場所の整理と見直しが優先されます。ですが、母の要望で、ずっとモヤモヤしていたという平屋のキッチンの整理から着手することになりました。二階建ての家が生活空間なので、こちらのキッチンで料理をすることはありません。まずはキッチン背面にある吊り戸棚から見直すことにしました。母いわく「届かないから、何十年も中身を見ていない」とのこと。母は153cmと背が低いので、吊り戸棚は脚立を使ってようやく届くという危ない状況です。そこで、まず私が吊り戸棚のなかのモノを全て出し、中身を母に見てもらいました。想像していたとおり、残したいと判断したモノはひとつもありません。そんなわけで、すべて処分することになりました。処分品のなかに、私と弟(故人)が45年ほど前に使っていた水筒を3つ発見。懐かしさのあまり思わず写真を撮りましたが、その後はゴミ袋に入れてゴミの日に捨ててもらうつもりでした。引き取り先があるならば「リユース」も検討するたまたまInstagramのストーリーにこの写真をアップしたところ、レトロなモノを集めている友人から「懐かしい!エモい!」とコメントがありました。そこで「もしよかったら送りますよ」と返信したところ「ぜひ!」という返事がきたので、友人がほしいと言った水筒をひとつだけ送りました。ほかのふたつについては「メルカリに出せば需要がありそう」「欲しがる外国人がいそう」といったコメントをもらったため、自宅に持ち帰り保管しています。買い手がいなければ捨てることになるかもしれません。ですが、どんなに古いモノでもこういった需要があることがわかったのは、整理収納アドバイザーとして大きな気付きだったと思います。親がいらないと判断したモノは、なんでも捨てればいいと思っていましたが、引き取り先があるならば譲るという方法もあるのだと再認識できました。築年数が経った古い家には、もしかしたらこういった思いがけない「お宝」が眠っている可能性があります。リユースという形で古いモノを活かすことまで親と一緒に考えられると、なかなか片づけられない親でもモノを手放しやすいんだなと感じた出来事でした。整理収納サポートをご依頼くださる60〜70代のお客様でも「捨てるのは惜しいけれど…」と言いながら「近所の施設に寄付すると喜んでもらえるので、それなら手放してもOK」とおっしゃる方が多くいます。モノを大切にする世代の意向をしっかり聞くことも大切ですね。わずか3時間で大量の処分品が……実家のキッチン吊り戸棚は空っぽになりました。ここは届かないのでもう使わないそうです。棚を掃除して、吊り戸棚の片づけは終了しました。母の判断が早く、まだ時間があったので、キッチン横の廊下に面した押入れを整理することにしました。襖を開けてみると、モノがぎっしり詰まっています。この場所もモノを全部出して、母に要不要を判断してもらいました。その結果、季節家電と仏具を除き、ほとんどのモノを処分することに。キッチンの吊り戸棚と押入れを整理した時間は3時間弱です。出したモノの8割以上が使っていないモノ、必要ないモノでした。結局、家が広く収納が多いので、親はモノが多いことに気づいていなかったようです。高齢になればなるほど、モノを出して整理するのは大変な作業になります。今回は、私が棚の中身をすべて出し、両親は要不要を判断するだけ。普段使うモノがほとんどなく、判断するのが簡単だったため、短時間で片づけが進みました。両親も「スッキリした!」と少しモヤモヤが晴れたようです。やはり親が元気なうち、私がまだ動けるうちに、少しでも片づけをしていくほうが良いですね。実家には片づけなければならないスペースがまだたくさんあります。頻繁に帰省ができないので何年かかるかわかりませんが、今後も少しずつ実家を片づけていこうと思います。第20回は、藤野さんが両親と一緒にエンディングノートを書いたことなどについてお伝えします。