ストックがないと不安でモノが捨てられない義母——義母さんは、自分で買い物をしないそうですね。そうなんです。何年も前から義母が買い物に行くのではなく、義父が買い物に行っていました。でも、義父が足をケガして買い物に行けなくなってしまったんですね。そこで、重いモノやかさばるモノは、ネットスーパーで私が注文して、義実家に届けてもらうようにしました。やり取りは電話で、買いたいモノを聞いて注文しています。——具体的には、どんなモノを注文しているんですか?主に日用品ですね。トイレットペーパー、洗剤、ティッシュペーパー、お米など。夫婦2人暮らしなのに、義母はとにかくストックがないと不安で、買い溜めしてしまうタイプなんですよ。だから、使いきれないうちにモノがどんどん溜まっていったようです。頼まれたモノも「こんなに必要?」と思うこともありましたが、最初は言われるがままに注文していました。嫁の立場だったので……。でも、あまりにもストック品を注文する頻度が高いのでだんだんと面倒になって、ある日、箱買いして送ったんですよ。そうしたら「ずいぶんたくさん届いたわよ」と言われたので「これならしばらく買わなくても大丈夫ですよ」と答えて、納得してもらいました。——ストック品はどこに保管しているんですか?納戸ですね。あまりにもストックが多すぎてぐちゃぐちゃになっていたらしく、ヘルパーさんが上の棚に乗せて「見える化」してくれていました。なくなったら、ヘルパーさんがストックを降ろすといった感じですね。それなのに義母は「ないから注文して」と頼んでくるんですよ。「大量に買ったばかりだからあるはずですよ。確認してみてください」と言うと「ストックはあるけど、減ったら困るから」と、結局買うハメになるんです。とにかく義母はモノを捨てられないし、ストックするくせもあるので本当に大変です。——日用品は日数が経っても使えますが、食料品についてはどうですか?義母はほとんど料理をしないのに、調味料のストックがたくさんあるんです。期限が切れていても捨てません。料理をしないから、お惣菜をよく買っていますが、たくさん買ってしまうので食べ切れないんですよ。買うだけ買って食べずに捨ててしまうこともありました。食べ物を捨てることに罪悪感のない人なんですよね。お金に困っていたわけではないので、どんどん買っちゃうんです。部屋が臭かったのは、食材を腐らせてしまうことにも原因があった気がします。夫も、義母に何か言ったところでケンカになるので諦めていました。これまでの習慣を急に変えることはできないですからね。こっそりと買い物するモノの量をコントロール——その後、義父が亡くなって部屋が片づいてから、買い物に変化はありますか?相変わらず私が、ネットで頼まれたモノを注文しています。2週間に1回くらいの頻度ですかね。その度にティッシュやトイレットペーパーを2つ頼んでくるので、もう1つしか頼まないことにしました。お金の無駄遣いじゃないですか。注文するのは私なので、在庫管理はこっそり調整しています。どれだけ頼んだのかも、どれだけ在庫があるかも把握していないので、いくらでもごまかしがきくんですよね。義母には「1つしか頼めませんでした」といえば納得してくれるので、最近はそのようにしています。日用品とはいえ、義実家に必要以上にモノを増やしたくないですし、モノが増えて、片づけるのは、結局私たち夫婦ですからね。実は、義父が生きていたときも、2人暮らしなのにジャガイモを2袋頼むことがよくありました。料理をしないので、結局腐らせてしまうことも多くて。それでも買いたがるので、1袋だけ頼まないようにしたり、「売り切れだった」と言って買わなかったりしています。そうやって予防線を張っておかないと、義実家の片づけに苦労する未来しか見えません。義母を変えるのではなく、増やさない工夫をするストックがないと不安になる義母の性格は、無理に変えることはできません。Oさんご夫婦も、その点はもう受け入れているそうです。そのうえで、どうすれば義母が暮らしやすく、そして義実家にモノが増えすぎないようにできるのか。Oさんは、水面下で少しずつ調整しながら向き合っていました。買い溜めしがちな親との距離感を考えるとき、こうした“増やさない工夫”はひとつのヒントになるはずです。第23回は引き続き、Oさんの義実家の片づけについてお伝えします。テーマは「今後の義実家じまいと相続に向けてやっていること」です。