話し合えなかった理由、トップは「きっかけがなかった」相続手続きWEBサービス「そうぞくドットコム」を運営する株式会社AGE technologiesが、2025年11月に実施した「終活に関する意識・実態調査」の結果が公開されました。調査対象は、実際に家族の相続手続きを経験した40〜70代以上の男女107名。「生前に終活や将来のことについて話し合う機会があったか」という問いに対し、「話し合う機会を作れなかった」と答えた人は39.8%と、約4割にのぼりました。では、なぜ話し合えなかったのでしょうか。理由として最も多かったのは「特にきっかけがなかった」(40.3%)。次いで「何から話せばいいか分からなかった」(24.7%)、「まだ先のことだと考えていた(急なことだった)」(23.4%)という結果でした。「終活」という言葉は知っていても、いざ親に切り出そうとすると、どんなタイミングで、何から話せばいいのか分からない。そんな戸惑いを抱えている方は、決して少なくないようです。最も後悔が多かったのは「実家の片づけ」調査では、「生前にできず、後悔していること」についても聞いています。最も多かったのは「実家の片づけ・持ち物の整理」で、40.8%の方が「困った」「後悔した」と回答しました。遺品整理は物理的な作業の大変さだけでなく、故人の思い出と向き合う精神的な負担も大きいといわれています。親が元気なうちに一緒に少しずつ進められていたら、という思いを抱える方も多いのかもしれません。次いで多かったのは「『ありがとう』など感謝を伝える会話」(36.7%)、そして「思い出作り」(25.5%)でした。手続きや準備に関することだけでなく、「気持ちを伝える時間」を持てなかったことへの後悔も、少なくないことがうかがえます。手続きの負担感は平均6.4点、半数以上が「高い」と回答終活や死後の手続きについて、負担感を0〜10点で評価してもらったところ、平均は6.4点。7点以上の「高負担」と感じた人は57.1%と、半数を超えました。家族を亡くした悲しみのなかで、役所や金融機関への届け出、相続の手続き、遺品の整理……。やるべきことが次々と押し寄せてくる状況は、想像以上に大きな負担になることがあります。もちろん、生前にすべてを準備しておくことは難しいかもしれません。それでも、ほんの少しでも情報を共有しておくことで、遺された家族の負担が軽くなる可能性はあります。「デジタル終活」の壁も浮き彫りに調査では、デジタル情報に関する困りごとについても質問しています。最も多かった回答は「ログインID/パスワードがわからない」でした。スマートフォンやパソコンの中に、銀行口座やサブスクリプションサービス、写真や連絡先など、さまざまな情報が保存されている時代。本人以外がアクセスできないまま、手続きが滞ってしまうケースも増えているようです。「デジタル終活」という言葉はまだ耳慣れないかもしれませんが、今後ますます重要になっていくテーマのひとつといえそうです。「話さなきゃ」ではなく、「話せたらいいな」くらいでいいここまで調査結果を見てきましたが、「やっぱり話しておかないと」「準備しなきゃ」と焦る気持ちが湧いてきた方もいるかもしれません。でも、無理に構える必要はないように思います。終活の話し合いは、一度で完璧にまとめなくてもいいものです。「話さなければならない」と気負うよりも、「いつか話せたらいいな」くらいの気持ちで、日常のなかにほんの小さなきっかけを見つけていくのもひとつの方法ではないでしょうか。たとえば、テレビで相続や老後の話題が出たとき。帰省して実家の押し入れを開けたとき。親が「最近、物忘れが増えてきた気がする」とつぶやいたとき。そうした何気ない瞬間に、「そういえば、うちはどうする?」と軽く話題にしてみる。それだけでも、最初の一歩になることがあります。調査の自由回答のなかには、こんな声もありました。「延命治療の希望について、両親がまだ元気な頃からしっかり文書化して、直接言葉でも伝えてもらっていたので助かりました」(60代)「親が元気なうちに旅行などに行くこと」(50代)話し合いの形は、家族の数だけあります。エンディングノートを渡すことだけが正解ではありませんし、深刻な顔をして向き合う必要もありません。一緒に写真を整理したり、昔の話を聞いたりすることも、ひとつの「終活」といえるのかもしれません。「自分だけじゃない」と思えることが、最初の一歩になる今回の調査で印象的だったのは、「きっかけがなかった」「何から話せばいいか分からなかった」という声の多さです。裏を返せば、多くの人が同じように迷い、戸惑っているということ。「話せなかった」「準備できなかった」と感じているのは、あなただけではありません。そして、後悔の声のなかに「感謝を伝える会話」や「思い出作り」が含まれていたことも、心に留めておきたいポイントです。終活は、書類や手続きの準備だけではない。家族との時間や、気持ちを伝え合うことも、大切な一部なのだと気づかされます。完璧な準備ができなくても、すべてを話し合えなくても、大丈夫。今日できる小さなことから、自分のペースで始めてみる。それが、いつか「やっておいてよかった」と思える日につながるのかもしれません。出典:株式会社AGE technologies「【第1回】終活に関する意識・実態調査」(2025年12月26日発表)そうぞくドットコム:https://so-zo-ku.com/