8割以上が「冬の実家は寒い」と感じている住宅メーカーのアエラホーム株式会社が、実家を離れて暮らす20〜40代を対象に「実家の寒さに関する調査」を実施しました。その結果、「冬の実家が寒い」と感じている人は全体の82%にのぼることがわかりました。「非常に寒いと感じる」と答えた人が約31%、「寒いと感じる」と答えた人が約51%。実家の寒さを感じている人は、決して少数派ではないようです。実家の中で特に寒いと感じる場所を聞くと、「脱衣所・浴室」が最も多く、次いで「トイレ」「廊下」という結果になりました。いずれも暖房の届きにくい場所であり、暖かいリビングとの温度差が大きくなりやすいところです。興味深いのは、築年数による差があまり見られなかったこと。築10年以内の比較的新しい家でも、築40年以上の古い家でも、「寒い」と感じる人は一定数いました。日本の住宅は、新旧を問わず寒さを感じやすい構造になっているのかもしれません。寒さの原因は、家の「性能」にある?実家が寒い原因について、「断熱性能や気密性能の低さが原因かもしれない」と考えたことがある人は、85%以上にのぼりました。多くの人が、暖房器具の問題というよりも、家そのものの性能に目を向けているようです。実際、日本の住宅は世界的に見ても寒いと言われています。WHO(世界保健機関)は2018年に発表したガイドラインで、冬の住宅の室温を18度以上に保つよう勧告しています。しかし、日本の約9割の地域では、平均室温が18度を下回っているのが現状だそうです。家の中に温度差があると、暖かい場所から寒い場所へ移動したときに身体に負担がかかります。いわゆる「ヒートショック」と呼ばれる現象で、特に高齢者にとってはリスクが高いとされています。親の健康が気になる、という気持ち今回の調査では、実家の寒さに関連して「親の健康面への不安を感じる」と答えた人が92.8%にのぼりました。寒い脱衣所で服を脱いで熱いお風呂に入る。寒いトイレでいきむ。暖かい布団から出て、冷え切った廊下を歩く。——そうした日常の何気ない行動が、ヒートショックなどの健康リスクにつながる可能性があることは、多くの人が知っています。だからこそ、「うちの親は大丈夫だろうか」と気になってしまう。ただ、気になっていても、それを親に伝えるのは簡単ではありません。「お風呂の入り方、気をつけてね」と言ったところで、「大丈夫、大丈夫」と軽く流されてしまうかもしれない。「家が寒いんじゃない?」と指摘したら、「余計なお世話だ」と思われるかもしれない。そもそも、まだ元気に暮らしている親に対して、老いや健康リスクを前提にした話をするのは、どこか失礼なような気もする。そんなふうに考えて、結局何も言えないまま帰ってくる——という人も少なくないのではないでしょうか。リフォームを考える人も多いけれど……調査では、「親が安全・健康に暮らし続けるために、実家のリフォームや建て替えが必要だと感じる」と答えた人が74%以上いました。「すぐにでも必要だと思う」が約20%、「将来的に必要だと思う」が約55%という内訳です。リフォームで優先したいこととしては、「断熱性・気密性の向上(家全体の温度差解消)」が最も多く挙げられていました。寒さを根本的に解決したいという思いの表れなのでしょう。とはいえ、リフォームは簡単に決められることではありません。費用の問題もありますし、何より住んでいるのは親自身です。子どもが「リフォームしたほうがいい」と思っても、親がその必要性を感じていなければ話は進みません。家をどうするかは、最終的には親が決めること。子どもにできるのは、情報を伝えたり、一緒に考えたりすることくらいです。「気になっている」は、大切にしたい気持ちの表れ親の暮らしや健康が気になるのは、ごく自然なことです。もちろん、親には親の暮らし方があります。寒さへの感じ方も、何を快適と思うかも、人それぞれ。長年その家で暮らしてきた親にとっては、「これが普通」なのかもしれません。「寒いから何かしなきゃ」と焦る必要はありませんし、子どもが親の暮らしをコントロールすることもできません。リフォームを勧めることが正解とも限りません。ただ、「気になる」という気持ちは、そのまま持っていていいものだと思います。今すぐ何かを解決しなくても、次の帰省のときに「最近、寒くない?」と聞いてみるだけでもいい。「お風呂上がり、冷えないようにね」とひとこと添えるだけでもいい。あるいは、暖かい靴下やひざ掛けをお土産に持っていくのもいいかもしれません。そうした小さな会話や気遣いの積み重ねが、いつか「これからの暮らし」について一緒に考えるきっかけになることもあります。実家の寒さが気になっているのは、あなただけじゃない。 同じように感じている人が、たくさんいます。気になる気持ちを関わりの入り口にするか、それともそっと胸にしまっておくか。どちらを選んでも構いません。あなたのペースで、あなたのタイミングで、実家のことを考えていけたらいいのだと思います。出典: アエラホーム株式会社「実家の寒さに関する調査」(2025年11月実施/戸建ての実家から離れて暮らす全国の20歳〜49歳の男女338名対象)