90歳義母の「お金事情」——義母さんが買い溜めしすぎて困るという話でしたが、金銭的に問題はないのですか?義母は持ち家マンションに住んでいて、年金ももらっています。ストックぐせはありますが、固定費が低く、家賃もないので、金銭的に困ることはまったくありません。日々の支出は、月10万円前後で十分足りています。むしろ、お金は減るどころか、じわじわと貯まっている状況です。——普段はどんな生活をしているのですか?日々の楽しみはテレビや新聞が中心のようです。お金のかかる趣味はありません。ただ、買い物好きなので、前回お話したように、ティッシュやトイレットペーパー、食材などの「ストック買い」に走りがちです。口には出しませんが、お金があるのに有意義な使い方をしていないのは、少しもったいないなと感じています。貯め込みすぎが将来の相続税のリスクに——お金に困っておらず、貯まっていくのはいいことではないんですか?義母は、お金が貯まることはいいことだと思っています。モノと同じ感覚ですね。確かに悪いことではないんですが、私たち子ども世代から見ると「相続税はどうなるんだろう?」という不安が出てきます。毎月、黒字の家計で貯金だけが積み上がっている状態なので、将来的に相続税の負担が重くなることが気がかりです。ただ、相続税対策のひとつとして、地方の大学で一人暮らしの息子の家賃を払ってもらっていますし、そこまで心配はしていません。——なるほど。もうひとつ、実家をどうするかという問題もありますよね。わが家の場合、相続で大変だと考えているのは、現金よりも「家とモノ」です。亡くなった義父の部屋は、10万円ほどかけて業者に一気に片づけてもらい、仏壇部屋にしました。でも、義母の部屋や納戸は、まだまだモノが多く残っています。いわば「将来の爆弾」です。お金とモノの問題がまとめてのしかかってくることが目に見えているので、すぐに行動できなくても、今のうちに方針を考えておく必要があると感じています。——では、義実家のお金まわりをどうしていこうと考えていますか?基本的に、義母が元気なうちはお金そのものには手を出さない方針です。夫は一人息子なので、相続でもめる心配もありませんから。義母の生活費は黒字なので、節約を求める必要もなく、現状維持でいいかなと思っています。お金の使い方に口を出しすぎないようにしていますが、ジャガイモの大量購入など、明らかな無駄買いはこっそりとコントロールしてブレーキをかけています。「住み続けてもらう」ことを前提とした義実家じまいへ——義実家じまいはいつ、どのように進めようと考えていますか?義母は「施設には入りたくない。家にいたい」と話しています。その意思を尊重して、住み続けてもらうことを前提に考えているので、義実家じまいはそのあとになります。今は、安全確保と買いだめのコントロールに集中しています。義実家をキレイに片づけることは諦めており、事故のリスクを下げることに振り切っている状態ですね。義母が亡くなったあとは、業者に片づけを依頼して売却する予定です。現在の義実家はモノが多すぎて、家族だけで片づけるのは現実的ではありませんから。東京と関西では距離があるため、義実家に住むという選択肢はありません。リフォームして賃貸に出すことも考えていないです。売却時の懸念点は、駅からバス利用で遠い立地で、築年数が古い点です。まだ相場を調べていませんが、いつか査定をお願いする予定です。——仏壇とお墓はどうする予定ですか?実は、東京の自宅近くにお墓を購入済みなんです。義実家には新しい仏壇がありますが、私自身の実家にも小さな仏壇があるので、将来的には仏壇をひとつにしたいと考えています。ただ、宗派ごとのルールや位牌の移動の手続きなどは、今のうちに調べておこうと思っています。戦わない嫁だからこそ持てた、実家じまいと相続の方向性Oさんは、「片づけて」と言えば言い争いになるとわかっているため、義母の価値観を無理に変えようとしていません。だからこそ、買いだめをコントロールしたり、リスクを避けるための片づけをしたりして、義母が分からないところで調整しています。今後、相続と片づけの負担は避けられませんが、少しずつ情報収集をおこない、将来の負担を軽くするための準備を進めている点が素晴らしいと感じました。第24回は、整理収納アドバイザーが経験した実家の引っ越しについてお伝えします。