燦ホールディングス株式会社が30〜69歳の男女500名を対象に実施した「人生の最後と別れの際の思い」に関する意識調査で、少し意外な結果が明らかになりました。大切な人との別れを経験した人のうち、「伝えたかったが伝えられなかった言葉がある」と答えた人は66.4%。そして、最も伝えたかった言葉の第1位は「ありがとう」(56.3%)だったのです。誰もが届けたいと思っている言葉が、6割以上の人に届けられていない——。この数字は、「ありがとう」を伝えることが、思っている以上に難しいことを物語っているのかもしれません。「まだ会える」と思っていたなぜ、伝えられなかったのか。調査では、その理由も明らかになっています。1位は「突然の別れで、伝える時間がなかった」(52.1%)。予期せぬ別れは、言葉を届ける機会そのものを奪ってしまいます。しかし、注目したいのは2位以下の理由です。「まだ会えると思っていた」(33.4%)、「気恥ずかしさや照れがあった」(19.0%)——これらは、時間があったにもかかわらず、伝えられなかったケースです。「今度帰省したときに言おう」「また会えるから、そのときでいい」そう思っているうちに、“そのとき”は来なかった。もしくは、伝えられる状態ではなくなっていた。そんな経験をした人が少なくないことが、この調査からは見えてきます。心の準備をしていても、心残りは残る興味深いのは、別れに対して「ある程度心の準備ができていた」と答えた人でも、約7割が「心残りがある」と回答していることです。「まったく心残りがない」と答えた人は、わずか4.4%でした。つまり、「いつかその日が来る」とわかっていても、実際に言葉にして伝えることは難しい。頭ではわかっていても、行動に移せないまま時間が過ぎていく。それが、多くの人の現実なのかもしれません。調査の自由回答には、こんな声が寄せられています。「私を生んでくれてありがとう。大好きだよ。私のお母さんで良かったよ」「本当にありがとう。もっと一緒に片づけたり整理しとけばよかったね」「長い間、家族のために力を尽くしてくれてありがとう。そしておつかれさまでした。これからみんなで頑張っていくから、天国で見ていてください」「もっと知りたいことがあったのに、聞けないままになってしまった。、感謝の気持ちが言葉で伝えられなかった」「あまり喋る機会がなかったのでお互いに理解できなかった。一緒に酒でも飲みたかったよ」どれも、別れたあとに絞り出された言葉です。もう届けることができない相手に向けた、届かない言葉。その切実さが伝わってきます。「いつか」を「今日」に変えてみるこの調査は、過去の別れについてたずねたものです。でも、この記事を読んでいる方の中には、まだ親御さんが元気でいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。もしそうなら、あなたにはまだ「伝える時間」があります。とはいえ、面と向かって「ありがとう」と言うのは照れくさいものです。改まった場を設けるのも、なんだか気恥ずかしい。その気持ちは、とても自然なことだと思います。だからこそ、日常の中に小さなきっかけを見つけてみるのはいかがでしょうか。電話を切る前に「いつもありがとうね」と一言添えてみる。帰省の帰り際に「元気でいてね、ありがとう」と伝えてみる。特別な言葉でなくていい。大げさな場面でなくていい。「いつか伝えよう」を「今日、少しだけ伝えてみる」に変えること。それだけで、届く言葉があるのかもしれません。6割以上の人が、伝えられなかった言葉を抱えている。その事実を知った今、あなたはどうしますか。出典:燦ホールディングス「人生の最後と別れの際の思い」に関する意識調査より引用