実家が空き家になることに、不安を感じる人は少なくない「実家、これからどうしよう」。ふと頭をよぎっても、なかなか口に出すきっかけがないまま時間が過ぎていく。そんな経験のある人は、思っているよりずっと多いのかもしれません。先の調査では、実家が将来空き家になることに「不安」と答えた人が61.0%。「どちらかと言えば不安」を合わせると、76.0%の人が何らかの不安を抱えていました。数字そのものより、ここで伝わってくるのは「気になっているのは、自分だけではない」ということ。言葉にしていないだけで、同じような不安を抱えている人は少なくないのだと思います。不安の中身は、お金・管理・片づけ・親族の話し合いでは、その不安の中身は何なのでしょうか。調査では、不安を感じる理由の上位に、いくつかの共通したものが並びました。いちばん多かったのは、維持費や税金といったお金の心配(64.5%)。次いで、防犯や建物の老朽化への不安(55.8%)、遺品整理など片づけの負担(48.2%)と続きます。そして見過ごせないのが、親族でもめそう(42.1%)、売れるかどうか心配(31.3%)といった声です。並べてみると、不安は決してひとつの種類ではないことがわかります。お金や建物といった「モノ」の問題もあれば、きょうだいや親族との関係という「人」の問題もある。実家のこれからには、いくつもの心配がからみ合っているのです。空き家の不安は、家そのものだけではなく“家族の話しにくさ”にもあるここで少し、立ち止まって考えてみたいことがあります。「親族でもめそう」という不安の背景には、まだ家族のあいだで実家の話ができていない、という状況があるのかもしれません。売るのか、残すのか、誰が引き継ぐのか。本当は気になっているのに、なんとなく切り出しづらくて、先送りにしている。実家のことが重く感じられるのは、家の古さや維持費そのものだけではなく、「家族とどう話せばいいのかわからない」という部分にもあるのではないでしょうか。「売るかどうか」を決めるより先に、できることがあります。それは、親自身がどう考えているのかを聞いてみること。そして、きょうだいがどう思っているのかを知っておくこと。答えを出すための話し合いではなく、お互いの気持ちを少しずつ確かめておく。その積み重ねが、いざというときの「もめそう」を、静かにほぐしていくように思います。今すぐ結論を出さなくても、話題にするだけで一歩になる実家をどうするかという問いに、すぐに正解が出せる人は多くありません。大切なのは、いきなり結論を決めることではなく、「実家のこれから」を家族の話題にのせてみること。たとえ何も決まらなくても、一度言葉にできた時点で、それはもう小さな一歩です。次の帰省のとき、お茶でも飲みながら、実家のこれからについて少しだけ話してみる。そんな時間が、いつか自分や家族を、そっと支えてくれるかもしれません。不安は、ひとりで抱えていると大きく見えます。でも、誰かと言葉を交わした瞬間から、少しずつ輪郭がやわらいでいくものなのだと思います。出典:株式会社フィリアコーポレーション「実家が将来『空き家』になる不安はありますか?【アンケート結果発表】」【調査概要】調査対象: 全国の男女調査期間: 2026年4月15日~16日調査機関: 自社調査調査方法: インターネットによる任意回答有効回答数: 500人(女性343人/男性157人)