「片づけられない」の背景に、体力の低下株式会社AlbaLinkが2026年7月に実施した「実家のゴミ屋敷化に関する意識調査」によると、実家がゴミ屋敷化した理由の1位は「体力の低下」で22.5%でした。2位は「もったいない精神(16.5%)」、3位は「片づけが苦手(14.4%)」、4位は「買い物のしすぎ(11.5%)」と続きます。ここで注意したいのは、これは親本人に聞いた調査ではなく、子ども世代が「理由だと思うこと」を答えた結果だという点です。それでも、片づけられない状態を性格だけの問題にせず、体力の衰えと結びつけて見ていた人が最も多かったことは見逃せません。掃除や片づけには、モノを持ち上げる、分別する、決められた日に集積所まで運ぶといった作業が伴います。以前は当たり前にできていたことでも、年齢を重ねるにつれて負担が大きくなれば、少しずつ後回しになっていくことがあります。そのほか「認知機能の低下」「配偶者との死別」「他人との交流減少」も挙がりました。実家にモノがあふれる背景には、体力だけでなく、家事を担っていた人を失ったことや、暮らしへの意欲が低下したことなど、さまざまな変化が重なっている場合もありそうです。子ども世代が最も恐れているのは「将来の負担増」実家のゴミ屋敷化によって子ども世代が恐れているリスクでは、「将来の負担増」が38.0%で1位となりました。2位は「近所からのクレーム(25.1%)」、3位は「健康への悪影響(24.4%)」でした。親が住んでいる間は何とか暮らせていたとしても、その家をいつか誰が片づけるのか。大量のモノを処分するために、どれほどの時間や費用がかかるのか。先送りにされてきた問題が、将来は自分にのしかかるのではないか。そんな子ども世代の不安がうかがえます。一方で、近所への影響や親の健康を心配する回答も少なくありません。実家の片づけは、親が亡くなったあとの問題だけではなく、いまの暮らしの安全にも関わるテーマだといえそうです。約半数が「自分で掃除」。子ども側に偏る負担実家をこれ以上ゴミ屋敷化させないための対策としては、「自分が掃除する」が49.8%で、半数近くを占めました。2位は「こまめに連絡する(11.0%)」、3位は「親と一緒に掃除する(8.6%)」、4位は「親に掃除するよう伝える(7.4%)」でした。親だけでは難しくなった片づけを、子どもが引き受けている家庭が多いことがわかります。しかし、実家が遠方にある場合や、子ども自身が仕事や子育て、介護などを抱えている場合は、頻繁に通って掃除することが難しいでしょう。実家を片づけられないからといって、子どもが自分を責める必要はありません。自由回答には、親とけんかになるため、気づかれないようにモノを処分しているという声もありました。そうせざるを得ないほど追い詰められている子どもの苦しさが伝わります。ただし、親にとっては一つひとつのモノに思い入れや「まだ使える」という感覚があるかもしれません。差し迫った危険がない場合は、親の意思を確かめながら、小さな範囲から一緒に進めるほうが、その後の関係をこじらせにくいでしょう。片づける前に、親の暮らしの変化を確かめる実家の散らかりが気になったとき、すぐに「捨てよう」と切り出すのではなく、まずは親の暮らしで何が難しくなっているのかを聞いてみるのもひとつの方法です。「ゴミ出し、大変じゃない?」「重いモノを動かすのがつらくなっていない?」「買い物で困ることはない?」など、片づけを責めるのではなく、困りごとを確かめるところから会話を始めてみます。そのうえで、ゴミ出しだけを手伝う、玄関から居間までの動線を確保する、期限の切れた食品を一緒に確認するなど、いま必要なことから手をつけてみてはどうでしょうか。もちろん、モノが増えたことだけで認知症などと決めつけることはできません。ただ、買い物や食事、金銭管理などにも以前とは違う変化が重なっている場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談する選択肢もあります。厚生労働省によると、地域包括支援センターは、高齢者の総合相談や介護予防に必要な援助などを担う、市町村が設置する機関です。親本人だけでなく、家族から相談することもできます。参考:厚生労働省「地域包括ケアシステム」実家の散らかりを、親の「だらしなさ」だけで片づけない実家の散らかりは、モノの問題に見えて、親の体力や心身の状態、家族関係、そして子ども世代の負担にもつながっています。だからこそ、子どもだけで何とかしようとせず、きょうだいや親族、地域の相談窓口などにも状況を共有することが大切です。「どうして片づけないの」と責める前に、「以前と何か変わったことはない?」「いま、何に困っている?」と聞いてみる。家中を一度に片づけることよりも、親の暮らしに起きている変化に気づくことが、実家のこれからを考える第一歩になるのかもしれません。出典:事故物件・空き家の売却は訳あり物件買取プロ【調査概要】調査対象:実家がゴミ屋敷化した経験がある人調査期間:2026年7月1日~7日調査機関:自社調査調査方法:インターネットによる任意回答有効回答数:418人(女性264人/男性154人)回答者の年代:20代18.9%/30代30.9%/40代29.9%/50代14.6%/60代以上5.7%