空き家のニュースで「実家」が頭をよぎる人は少なくない株式会社フィリアコーポレーションが全国の男女500人を対象に行った調査では、空き家のニュースを見て「思い浮かぶ」「どちらかというと思い浮かぶ」と回答した人が、合計で8割を超えたといいます。その理由としてもっとも多かったのは、「親が一人で住んでいる」ことでした。次いで、「明日は我が身と感じる」「実家周辺の空き家の増加」「遠方で通えない」「家が古く資産価値が心配」といった声が続いています。空き家という言葉を聞いたとき、多くの人が思い浮かべているのは、知らない誰かの家ではなく、親が今も暮らしている家や、自分が育った実家なのかもしれません。もちろん、親が元気に暮らしているうちは、実家のこれからを急いで決める必要はありません。けれど、「まだ大丈夫」と思っているうちに、親の体調や暮らし方、家の状態、家族の状況は少しずつ変わっていきます。大切なのは、いきなり答えを出すことではなく、「そういえば、この家のことをちゃんと話したことがなかったね」と気づくことなのだと思います。出典:再建築不可・長屋・連棟・共有持分の買取ならフィリアコーポレーション人が住まなくなると、家は少しずつ変わっていく実家が空き家になった経験がある225人を対象にした株式会社AlbaLinkの調査では、実家の空き家で起きたトラブルとして、1位に「草木の繁殖」、2位に「カビの発生」、3位に「不法投棄の被害」が挙がりました。これらは、ある日突然大きな問題になるというより、人の手が入らなくなった家で、少しずつ進んでいく変化です。庭の草木は、手入れをしなければ伸びていきます。窓を開ける人がいなければ、家の中には湿気がこもります。郵便物がたまったり、庭が荒れていたりすると、人が住んでいないことが外からもわかりやすくなります。こうした変化は、誰かが悪いという話ではありません。家は、人が暮らしながら、掃除をしたり、換気をしたり、庭を整えたりすることで保たれているものです。だからこそ、実家が空き家になる前から、「もし長く家を空けることになったら、誰が見に行けるだろう」「庭の手入れは続けられそうかな」「郵便物や書類はどうしておこうか」といった小さな確認が、後の負担を軽くすることにつながるかもしれません。出典:空き家買取隊は全国の空き家の高額査定に挑戦中【東証上場】実家は、家族だけでなく地域の一部でもある空き家の問題は、家族の中だけで完結するものではありません。近隣の空き家が解体・売却された経験がある504人を対象にしたAlbaLinkの調査では、そのときの率直な気持ちとして、もっとも多かったのは「安心した」でした。次いで「嬉しい」という声もありました。一方で、「寂しい」「不安になる」「今後が気になる」といった声も挙がっています。この結果から見えてくるのは、空き家が地域の人たちの暮らしにも影響しているということです。手入れがされていない家が近くにあると、草木や虫、建物の老朽化、防犯面などが気になることがあります。けれど同時に、その家は誰かが暮らしていた場所であり、近所の人にとって見慣れた景色でもあります。実家も同じです。子どもにとっては、思い出のある家。親にとっては、長く暮らしてきた家。地域の人にとっては、日々の風景の一部。だからこそ、「空き家になったら困るから、早くどうにかしなければ」と一方的に考えるのではなく、その家に関わる人たちの気持ちも含めて、少しずつ考えていけるとよいのではないでしょうか。出典:お困り不動産の売却なら訳あり物件買取ナビ売るか、残すか。すぐに決めなくてもいい実家のこれからを考えるというと、すぐに「売るのか」「貸すのか」「解体するのか」といった話になりがちです。もちろん、いずれはそうした具体的な判断が必要になることもあります。けれど、親が元気なうちからいきなり結論を迫ると、親も子どもも身構えてしまうかもしれません。まずは、もっと手前の話からでも十分です。例えば、帰省したときに庭を見ながら、「最近、草取り大変じゃない?」と聞いてみる。郵便物や書類がたまっていたら、「一緒に整理しようか」と声をかけてみる。親が病院や買い物に行く頻度が変わっていたら、「何か困っていることある?」と聞いてみる。「この家を将来どうする?」という大きな問いの前に、「今の暮らしで困っていることはある?」と聞くことから始めてもよいのだと思います。実家のこれからは、家だけの問題ではありません。親の暮らし、家族の関係、きょうだいとの役割分担、地域とのつながりも関わってきます。だからこそ、ひとつの正解を急がず、家族それぞれの気持ちを少しずつ言葉にしていくことが大切です。帰省前後に、少しだけ「実家のこれから」を話してみる8月は、お盆の帰省などで家族が顔を合わせやすい時期です。とはいえ、久しぶりに会った親に、突然「実家をどうするつもり?」と切り出すのは、少しハードルが高いかもしれません。そんなときは、空き家のニュースや「空き家ゼロにの日」をきっかけに、「こういう話、最近よく見るね」と話してみるだけでもよいのではないでしょうか。「うちはまだ大丈夫だよね」と確認する。「もし長く家を空けることになったら、誰に頼めるかな」と考えてみる。「庭や書類の整理、少しずつ一緒にやろうか」と声をかけてみる。そのくらいの小さな会話からでも、実家のこれからを考える入口になります。空き家は、遠い社会問題のように見えて、実は多くの人にとって「いつかの実家」の話でもあります。でも、それは不安になるための話ではありません。親が元気なうちに、家族で少しずつ話せることがある。家が空き家になる前に、できる小さな準備がある。そして、実家について考える時間は、これからの親の暮らしや家族の関係を見つめ直す時間にもなります。8月2日「空き家ゼロにの日」をきっかけに、まずは自分の実家を少し思い浮かべてみる。そして、この夏、家族で少しだけ「親の家のこれから」を話してみる。そんな一歩から始めてみてもよいかもしれません。