親の資産を詳しく把握している人は6.8%親の預貯金や不動産、保険などを、どの程度把握しているかを聞いたところ、「詳しく把握している」と回答した人は6.8%でした。一方、「ほとんど・全く把握していない」と回答した人は55.0%。半数を超える人が、親の資産について十分には把握できていないことがわかります。年代別に見ると、「詳しく把握している」人は、30代が4.2%、40代が7.0%、50代が11.1%でした。年代が上がるにつれて割合は増えていますが、50代でも「ほとんど・全く把握していない」人は45.6%にのぼっています。親の資産は親自身のものです。たとえ親子であっても、お金についてどこまで共有するかは、それぞれの家庭で異なります。子どもが把握していないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。ただ、急な入院や介護、相続などが現実になったとき、どの金融機関を利用しているのか、保険に入っているのか、大切な書類がどこにあるのかがわからず、家族が戸惑うことは考えられます。親と相続について一度も話したことがない人は47.0%親と相続について「具体的に話したことがある」と回答した人は10.3%でした。一方、「話題には出た程度」は42.8%、「全く話したことがない」は47.0%。具体的なところまで話せている家庭は、決して多くないようです。年代別では、「全く話したことがない」人は30代で54.2%、40代で45.1%、50代で36.7%でした。50代でも3人にひとり以上が、親と相続について一度も話したことがないと回答しています。相続の話には、親のお金や実家の扱いだけでなく、親が亡くなったあとのことも関わります。たとえ親との関係が良好でも、「まだ元気なのに、そんな話をするのは早いのではないか」「財産をあてにしていると思われたくない」と、ためらってしまうこともあるでしょう。一方、親にとっても、自分のお金や亡くなったあとのことを、子どもにどこまで話せばいいのかわからない場合があります。どちらかが話を避けているというより、親も子どもも、最初のひと言を見つけられないまま時間が過ぎている家庭もあるのかもしれません。話せない理由は「切り出すタイミングがわからない」相続について「話題には出た程度」「全く話したことがない」と回答した人に、十分に話せていない一番の理由を聞いたところ、最も多かったのは「切り出すタイミングがわからない」の37.8%でした。次いで、「必要性を感じない」が23.5%、「縁起でもない気がする」が16.9%となっています。この結果から見えてくるのは、相続の話をしたくない人ばかりではないということです。話をする必要性は感じている。いつかは話したほうがいいとも思っている。それでも、普段の会話のなかで、突然「相続についてどう考えている?」と聞くのは難しい。何から話せばいいのか。どこまで聞いていいのか。親がどんな反応をするのか。正解がわからないからこそ、話すきっかけをつかめずにいる人も多いようです。お盆に「機会があれば話したい」人は47.3%今年のお盆に、親の資産や相続について話してみようと思うかを聞いたところ、「機会があれば話したい」と回答した人が47.3%で最も多くなりました。親と相続について具体的に話せていない359人に限って見ると、「すでに話す予定がある」「機会があれば話したい」と回答した人は、あわせて178人。49.6%が、お盆に話す意向を持っていました。ただし、約半数が「お盆に必ず相続の話をする予定」というわけではありません。その多くは、あくまで「機会があれば話したい」と答えた人です。家族が集まるお盆は、相続について話すきっかけのひとつにはなります。けれど、「せっかく帰省したのだから、話さなければ」と思い詰める必要はないのではないでしょうか。久しぶりに会った家族と過ごす時間のなかで、親の様子や実家の変化に気づくこともあります。親が最近気にしていることや、これからやってみたいことを聞くことも、将来について考える最初の一歩になります。相続の結論まで出せなくても、まずはお互いの今を知る。そんな時間にするのも、ひとつの方法です。いきなり資産額を聞かなくてもいい親の相続について話すというと、預貯金の残高や不動産の価値、財産の分け方まで確認しなければならないように感じるかもしれません。けれど、最初からすべてを聞き出そうとすると、親にとっても子どもにとっても負担が大きくなります。まずは、日々の暮らしに近い話題から始めてみても良いのではないでしょうか。例えば、親が通帳や保険証券などの大切な書類をどこに保管しているのかを聞いてみる。実家について、これからも住み続けたいと思っているのか、最近困っていることはないかを話してみる。自分自身の保険やお金の管理について話し、「わたしも最近、少しずつ整理しているんだ」と伝えることで、会話が始まることもあるかもしれません。今回の調査の自由回答でも、実家や土地の扱い、銀行口座や保険などの書類の保管場所、資産の分け方、親自身の希望などについて、家族と話しておきたいという声が寄せられていました。借金や負債、お墓、葬儀費用、デジタル資産などを気にする回答も見られます。ただし、子どもが知りたいことと、親が話しても良いと思うことが一致するとは限りません。親が話したくなさそうなときは、それ以上踏み込まないことも大切です。一度の会話ですべてを確認しようとせず、話せるところから、話せるタイミングで。お互いにとって負担の少ない方法を探していけたら良いのだと思います。話せなかったとしても、気づけることがあるお盆に帰省しても、相続について話す機会がないこともあります。親が話題を変えることもあれば、自分から切り出せないまま帰ることもあるでしょう。それでも、今回話せなかったからといって、何もできなかったわけではありません。親がどんな暮らしをしているのか。最近、何を不安に思っているのか。実家のどこに変化があるのか。そして、自分自身が親のこれからについて何を心配しているのか。同じ時間を過ごすなかで、気づけることもあります。「次に会ったとき、少し聞いてみよう」「まずは自分のお金や書類を整理してみよう」「きょうだいと、気になっていることを共有してみよう」そんな小さな一歩も、実家や親のこれからを考えるきっかけになります。相続の話は、一度で終わるものではありません。親の気持ちや暮らしも、子どもの状況も、時間とともに変わっていきます。だからこそ、ひとつの機会ですべてを決めようとせず、そのとき話せることを少しずつ。家族それぞれのペースで、対話を重ねていけたら良いのではないでしょうか。出典:しっかり保険、ちゃんと節約。編集部(Sasuke Financial Lab株式会社)「親の相続に関する意識調査」【調査概要】調査期間:2026年7月10日調査対象:親または義親が健在の30代から50代の男女有効回答数:400人(30代168人、40代142人、50代90人)調査方法:インターネット調査調査主体:Sasuke Financial Lab株式会社※記事中の割合は、各設問の有効回答者数を分母として算出されています。小数点以下の端数処理により、割合の合計が100%にならない場合があります。